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エンケファリンのレベルが低い中年女性は乳がんになるリスクが高い (* 原文はこちら *)

2016.3.10  EurekAlertより

血中のエンケファリンのレベルが低い中年女性は乳がんになるリスクが高い、というスウェーデン・スコーネ大学病院とルンド大学からの報告。動物実験では類似の報告があるが、ヒトの研究では初めての報告であるという。

この研究は、内因性オピオイド“エンケファリン”に焦点を当てている。乳がんを発症する潜在的な新規マーカーとして有望であるという新しい知見が見出されたという。

エンケファリンは鎮痛や抗ストレス作用を有する血中に循環する安定なペプチドである。その作用は、直接免疫系に作用することで免疫介在性腫瘍防御を強化するだけでなく、がん細胞を直接阻害することによって乳がんの発生の負の調節因子として関与しているらしい。

「乳がんにおけるエンケファリンの役割をヒトにおいて研究した初めての研究であり、その結果は驚くほどクリアだった。これまで知られているバイオマーカーの中でがんリスクと最も強い相関をもつもののひとつであった」と研究者らは語っている。

研究は、約1,900名の健康な女性から採取した血液サンプルに基づいて、平均約15年の乳がんの発生率について追跡調査した。対象女性の平均年齢は、57歳であった。解析においては、乳がんのリスクに影響を与える年齢、閉経、ホルモン治療、喫煙および他の要因が調整された。

解析の結果、エンケファリンのレベルが低い中年女性は乳がんになるリスクが高いということが判明した。エンケファリンが低レベルの女性では、高レベルの女性に比べて乳がんのリスクが3倍以上だったという。

今回の研究で低レベルなエンケファリン濃度と乳がんリスクの増加との間に統計的に有意な相関関係を確認したが、ホルモンの低レベルは、直接腫瘍発生に影響を与えることを示す因果関係が存在するかどうかは現段階では、明らかとなっていないことを研究者らは指摘している。

一方、対象女性より平均年齢の高いグループでの対照研究により、低レベルホルモンと乳がんとの関連がさらに強まる結果となった。他の研究者による動物実験でも同様の示唆が得られている。これらの研究を総合した結果、エンケファリンが直接腫瘍の阻害効果を有するだけでなく、がん細胞に対する免疫系の活性化を強化するという結論に至ったと研究者らは述べている。

ルンド大学の研究者らは、さらなる研究を引き続き行い、将来的には乳がんの早期発見が容易となることを切望している。今後、それぞれの女性のニーズに基づいて、予防治療を目的としたライフスタイルの介入、個別のリスク評価と治療に向けた開発も可能となるかもしれない。

出典は『臨床腫瘍学雑誌


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