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車をやめて電車、サイクリングやウォーキングでの通勤で体重減少

2015.05.25  EurekAlertより

車通勤をやめて電車通勤にしたり、ウォーキングやサイクリングで通勤したりすることによって2〜3年で体重を減量することができるようだという研究。英国家庭パネル調査(BHPS)の一環として発表されている。

車通勤は欧米では一般的な通勤形態であるが、必要以上に、労働者の健康維持には悪い影響をもたらしているかも知れない。ウォーキングやサイクリングでの通勤にインセンティヴを設けることで、人口ベースでの健康増進を図ることも可能かも知れないというのだ。

研究者らは、2004〜5年、2005〜6年、2006〜7年の3回のBHPSに参加した4,000人の回答をもとに検討を行った。もとになっているBHPSは、1991年に開始された年次の英国成人に対する代表サンプル調査である。それぞれのぽんとにおいて、回答者は通常の通勤手段として何を利用しているか、BMIを算定できるよう、2004〜5年調査と2006〜7年調査ではまた身長と体重を報告した。さらに研究者らはこれら回答者の体重と通勤形態が2年間でどのように関連しているのかについて、一連の分析を行った。

最初の分析では、3,269人の回答者があり、179人が車通勤をやめてウォーキングもしくはサイクリングで通勤(109人)、公共交通期間で通勤(70人)するようになった。これらの通勤方法をスイッチした人々は若年者により多く見られ、車へのアクセス、つまり車を所有する割合が車通勤を続けたものに比べてより低かったようだ。これらのうち、ウォーキングやサイクリングを通勤手段として選択したものはより世帯収入が低い傾向にあり、かつ通勤時間が短い傾向が見られた。一方で、公共交通機関の利用を選択した者はより教育レベルが高い傾向が見られた。

通勤手段を車からその他の方法に変更したことは、BMIで0.32kg/uの有意な減少に結びついていた。この数値は、影響を与えると思われるその他の数値を考慮して算出されている。平均すれば、1人あたり1kgの違いが通勤手段変更で生まれたことになるようだ。

通勤時間が長ければ長いほど、BMIの減少増大が多く見られた事も指摘されている。10分を超える通勤時間の違いではBMIで0.75kg/u(平均すると約2kgの減量)、30分を超える通勤時間の差異では平均して7kgの減量にあたる程度の有意な変化をもたらしたのである。

2つ目の分析では、787人の被験者について検討した。このサンプルでは、うち268人がアクティヴ通勤(身体活動量の多いもの)からパッシヴ通勤(身体活動量の少ないもの)に変更している。156人程度がサイクリングもしくはウォーキングをやめ、また112人が公共交通期間をやめて車通勤に変更している。ここでもまた、通勤手段を変更したものは、変更しないものに比べてより若い傾向にあった。ウォーキングやサイクリングをやめたものは、公共交通機関を用いていた者に比べて、職場において管理職的な立場や、専門職的立場にいるものの割合が少なかった。さらにまた、これらのの人は通勤時間が短い傾向があり、手段を変更した後に通勤時間が長くなっているものが多かったようだ。以前に公共交通機関での通勤を経験していた者では逆に、スイッチした後に通勤時間短くなる傾向が見られた。さらに、通勤手段を車に変えた者では、有意な体重増加が見られた。その割合はBMIにして0.34kg/uで、平均するとひとりあたり1kgの体重増加であった。

本研究は観察研究であり、因果関係を導き出すことができるような決定的な結論を述べることはできない。しかしながら、個人レベルに話を落とし込んだ場合で、通勤手段がアクティヴからパッシヴ、パッシヴからアクティヴに変わった場合にBMIが変化していることが観察されたことは、全国規模の調査である事を鑑みても、本知見の有用性を高めるものである、と研究者は指摘する。

より大規模で通勤手段が車から身体的にアクティヴなものへと変更するような事が可能となるならば、人口ベースでのBMI低下に有意に働きかける事が想定可能である、と研究者は言う。その他の潜在的な健康、経済、さらには環境的有用性を組み合わせて考えるならば、ウォーキングやサイクリング、公共交通機関による通勤はより持続可能な通勤手段の提供を促進する上で重要な含意を持っているといえ、健康増進政策上でも焦点を当てるべきものであるかもしれない。

出典は『疫学と共同体保健雑誌』 (論文要旨)


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