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漢方に使われる生薬、雷公藤に肥満治療の可能性

2015.05.24  EurekAlertより

漢方薬の成分として長い歴史を持つ雷公藤(らいこうとう)の成分が肥満マウスの摂食を減少させ、体重を45%減少させた、という米国ボストン小児病院とハーバード大学からの研究報告。

この成分はセラストロールと呼ばれ、レプチンの食欲抑制作用を促進する効果を持つという。

「過去20年にわたってレプチン抵抗性を改善することで肥満を治療しようとするための膨大な努力が傾けられたにもかかわらず、それらはみな失敗した」と主任研究者のユムート・オズカンは語っている。「本研究のメッセージは、レプチンを作用させるための希望が残されていること、肥満治療の希望が残されているということである。もしセラストロールがマウス同様にヒトでも有効であれば、肥満治療の強力な道が開け、肥満とその合併症に苦しむ多くの患者の傾向状態を改善できるだろう。」

レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳にエネルギーが足りていることを知らせる。レプチンの信号が効かなくなったヒトとマウスは過食によって重度の肥満に陥ることから、レプチンの作用を促進することによる肥満治療薬の開発が進められてきた。

しかし、レプチンの血中濃度が高くても肥満者にあっては、空腹感を減らし、摂食を高めることから、レプチン抵抗性というものがあり、それが肥満の原因となっていると考えられた。

多くの努力にも関わらず、未だにレプチン抵抗性を癒す薬物は見つかっていない。しかし、数年前のこの問題に対するひとつの解決法が示唆された。オズカンらの研究チームは、レプチン抵抗性が小胞体(ER)と呼ばれる細胞内小器官のストレス反応に関係していることを発見したのである。

今回の研究で、研究チームは、ヒトの細胞の全ゲノムの遺伝子発現プロフィールのデータベースをスクリーニングして、千個以上の治療薬の可能性のある小分子を選別した結果、セラストロールがER機能を改善しレプチン感受性を回復するのにもっとも有効であることを発見したという。わずか1週間の治療で、肥満マウスの摂食は80%近く減少したという。そして、3週間目の終わりには、体重も45%減少し、溜まった脂肪はほぼ燃やしつくされたという。

マウスの実験では特に毒性はみられなかったものの、オズカンらは、詳細な毒性試験と、プラセボ対照臨床試験の必要性を強く主張している。「セラストロールは、タイワンクロヅルの根に少量含まれるが、根には他にも多くの物質が含まれている」とオズカンは語っている。「その結果、雷公藤自体を減量のために用いるのはとても危険性が高い。」

研究チームは今後、セラストロールがいかにしてレプチン感受性を改善するのか、分子メカニズムについて検討する予定であるという。

出典は『細胞』 (論文要旨)


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