2015.05.24
EurekAlertより
糖尿病患者に対する眼科受診時の個別指導とリスク評価は、ヘモグロビンA1c(HbA1c)を指標とした血糖値コントロールを改善しないようだ、という米国フロリダ州にあるジャエブ健康研究センターからの報告。
集中血糖値コントロールは糖尿病患者の失明などにつながる毛細血管系の合併症の進行を抑える可能性があるが、HbA1cのコントロールは難しいのが現実である。
アリソン・アヤラら研究チームは、糖尿病患者に対する個別指導とリスク評価の効果について、ランダム化臨床試験を実施した。1型あるいは2型糖尿病患者は2つのコホートに分かれ、ひとつは数カ月に1度以上の個別指導、別のひとつは年に1度の個別指導を受けた。
対象者はランダムに介入群と対照群に分けられ、介入群は、HbA1c、血圧、糖尿病性網膜症の検査と指導が通常のケアに加えて実施された。
データ解析の結果、いずれのコホートにおいても、介入群と対照群には有意差がみられなかったという。
「追加の個別指導とリスク評価は血糖値コントロールを改善しなかったけれども、長期にわたる血糖値コントロールの最適化は依然として重大問題である。今回の結果は、血糖値の最適化には、より集中的な介入パラダイムが必要であることを示唆している。新しいテクノロジーや行動変容モデルに関する研究が必要とされるだろう。現在のところは、糖尿病の専門家は、教育、リスク評価の効果が最大になるような努力を継続するべきであろう」と著者らは結論付けている。
出典は『JAMA眼科』
(論文要旨)
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