リンクDEダイエット 栄養のひろば


食事 スポーツ栄養  栄養調査 研究紹介 健康食品

アメとムチ:罰は報酬よりも効果的!?

2015.05.21  EurekAlertより

アメとムチ。実際にはどちらのほうが効果が高いのだろうか。米国ワシントン大学セントルイス校の研究チームは、罰の方が報酬よりも実際の行動に対する影響力が強いようだ、という研究結果を『認知科学』誌に発表した。

研究チームは、88名の大学生を対象にした実験の結果などから、負けて失うことや罰を受けることは、何かを得ることに比べて2-3倍強いインパクトを与えることを発見したという。

実験で、あるグループの学生は一連のクリック音が、左右どちらの耳から聞こえるかを判断する試験を受けた。別のグループの学生は、画面上の一連のフラッシュ光が、左右のどちらで多いかを判断する試験を受けた。左右の確率はランダムに生成され、ほぼ同数で判別が困難な場合も多かった。

試験開始時に、画面にはランダムに5、10、15、20、25セントの金額が表示されて選択することになっていた。回答が正解ならその額を報酬として貰えるが、回答が誤りならその額を罰として学生が払わなければならないのである。

予想されるように、学生が報酬を得た場合、その学生はその選択を繰り返す傾向がみられた。その傾向は報酬額が高いほど高まった。

ところが、学生が罰を受けた場合、その学生はその選択を次回は避ける強い傾向がみられたという。その傾向は報酬の場合とは異なり、失った額の大きさには左右されなかった。この傾向は、クリック音でのフラッシュ光でも同じであり、刺激の種類には関係ないことが示唆された。

「明らかに、ヒトは25セントの報酬を得たのと同じ大きさでは25セントを失ったことを感じないようだ」と筆頭研究者のジャン・キューバネック博士は語っている。

報酬と罰が行動に与える影響に焦点を当てた先行研究は、複雑で、報酬と罰の効果を厳密に切り離して評価することが困難だったという。今回の研究では、クリック音とフラッシュ光という刺激は、常にランダムに現れるので、続く行動に与える報酬と罰の効果を容易にそれだけ取り出して検証することが可能であった。

リチャード・アダムズ教授と共同で実施された本研究は、人間の学習行動の関する理解を深めるだろうという。ある条件下においては、正しい答えに報酬を与えるよりも間違った答えを減点する方が効果的だというわけである。その方が学生が同じ間違いを避ける助けになるだろう。

キューバネックは次のようにコメントしている。「教育戦略に関して、我々の研究はネガティブフィードバックがポジティブフォードバックよりも行動変容のためにより効果的であることを示唆している。我々の研究はそのようなフィードバックはきびしいものである必要がないことを示している。つまり金額に関係なく同じような反応が見られたからである。進化的な観点からいえば、人々は罰や危険な状況を避ける傾向が高い。報酬には、それほど生命を脅かすインパクトはない。」

出典は『認知』 (論文要旨)


■関連ニュース

 ●占星術と有名人:四季は本当に性格に影響を与える 2015.05.27  EurekAlertより

 ●肥満治療の2側面:空腹と満腹 2015.05.27  EurekAlertより

 ●減量しやすさは個人の生理学的特質によって明確に異なるようだ 2015.05.27  EurekAlertより

 ●心的外傷後ストレス障害とがんは関連なし 2015.05.27  EurekAlertより

 ●ゲームで行動が変わる!? 2015.05.27  EurekAlertより

 ●速い心拍数は糖尿病リスクに関連する 2015.05.27  EurekAlertより

 ●老化した筋と脳を賦活するクスリ 2015.05.26  EurekAlertより

 ●食事と運動は加齢による筋肉損失を防止できるか? 2015.05.26  EurekAlertより

 ●クルミが大腸がんの増殖を遅くする 2015.05.26  EurekAlertより

 ●父親の年齢と子どもの成人後の血液系腫瘍リスクに関連性 2015.05.26  EurekAlertより

 ●ソーシャルメディア・サイトにおける女性の画像分析 2015.05.26  EurekAlertより

 ●米国におけるメタボリック症候群の高い有病率 2015.05.26  EurekAlertより

 ●カフェインの摂取はEDを予防する!? 2015.05.26  EurekAlertより

 ●車をやめて電車、サイクリングやウォーキングでの通勤で体重減少 2015.05.25  EurekAlertより

 ●変えたいなら事実だけでなく適切な物語を 2015.05.25  EurekAlertより

 ●口腔の健康状態を改善する天然アミノ酸 2015.05.25  EurekAlertより

 ●ナッツの摂取が大腸がんのリスクを低下 2015.05.25  EurekAlertより

 ●乳腺は覚えている:2番目の出産で母乳が良く出る理由 2015.05.25  EurekAlertより

 ●記憶は食品の選択に影響を与えます 2015.05.24  EurekAlertより

 ●漢方に使われる生薬、雷公藤に肥満治療の可能性 2015.05.24  EurekAlertより

 ●眼科受診時の個別指導は糖尿病コントロールを改善せず 2015.05.24  EurekAlertより

 ●高たんぱく質の間食は若者の食欲調節と食事の質を改善 2015.05.24  EurekAlertより

 ●真実の色を隠すとモラルが冒された気がする 2015.05.24  EurekAlertより

 ●メタボリックシンドロームの人は、心血管疾患による死亡リスクが高い 2015.05.22  EurekAlertより

 ●子どもの規則正しい就寝時間は、より良い睡眠をもたらす 2015.05.21  EurekAlertより

 ●スマホアプリでビタミンD不足を判別 2015.05.21  EurekAlertより

 ●妊娠中の過剰な体重増加は、子どもの肥満のリスクを増加する!? 2015.05.21  EurekAlertより

 ●アメとムチ:罰は報酬よりも効果的!? 2015.05.21  EurekAlertより

 ●リスクを下げる最良の食事と運動をしてますか 2015.05.21  EurekAlertより

 ●あなたは、自分の子どもが肥満であることに気付いているか。 2015.05.20  EurekAlertより

リンクDEダイエットアーカイブ
健康栄養サイト検索
 生活習慣病高血圧肥満
高脂血症糖尿病痛風
母乳栄養未熟児


解説論文集

運動はDNA損傷を惹起するか?

高脂肪食とインスリン抵抗性  [PDF版はこちら]

活性酸素・フリーラジカルの消去と日本型食生活

高コレステロール血症の改善、虚血性心疾患および糖尿病の予防のための食物繊維の適正摂取量  [PDF版はこちら]

良好なビタミンE栄養状態の保持のためには魚油カプセル中にどの位の量のビタミンEが必要か  [PDF版はこちら]

高校生女子における減量行動と背景因子に関する研究

生体における無機質の生理学的および病態生理学的特性

栄養学研究におけるWWWの有用性について(99年版)

先進諸国におけるITを用いた学習方法の検討

体脂肪計   [PDF版はこちら]

リウマチ熱と栄養 −発展途上国におけるリウマチ性心疾患の制圧のために− /

リンクDEダイエット


  (C)All Copyrights reserved 1998-2003 National Institute of Health and Nutrition