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事実を価値と区別することから始める科学的政策決定

2013.08.20  EurekAlertより

ある政策を決定するとき、科学者が権威をもって語りうるのは事実のみである。価値判断を伴う意見においてはすべての人が権威者である、という米国ミシガン州立大学からの報告。

「たとえば、地球温暖化を例にとろう。科学者は『温暖化が進んでいる』とは言える。それは容易にチェックできる事実である。」と主任研究者のトーマス・ディエッツ教授は説明する。「しかし、もし科学者が『気候変動は人々が大切にしているものに影響を与えているため、これを食い止めるため行動を起こさねばならない。』といったらそれは価値判断を含むことになる。ところが科学者はその価値判断の部分においては、その他大勢の人々より権威があるわけではないのだ。価値判断はだれもが同じ権威で持って語りうる事柄なのである」

この論文「価値と熟慮を科学界に持ち込む」は、『国立科学アカデミー論文集』に発表された。

科学者は科学を司るので、事実については極めて精度の高い発言が可能である。科学的な問題の解決策を提供するとき、自らの信用を失う可能性があるため、自分の価値観をさも事実かのように話さないよう気をつけなければならない、とディエッツ教授は述べている。

「政府などの公共機関は、地球温暖化や馬の野生化の問題までさまざまな科学的な問題の解決のために多くの意見を広く求める。」とディエッツ教授は語っている。「政策決定のプロセスには常に事実と価値(意見)が含まれるので、科学者はこれを厳密に峻別しておかないといけない。哲学者の中には、事実と意見は区別できないというものもいるが、私は実用レベルにおける区別は充分可能だと思うし、それをするべきだと考える。」

ディエッツ教授がいうには、科学にできるのは、人々のもつ価値がなんであるのかを明確にし、それに同意あるいは不同意するように科学を用いることだという。

「事実について議論するのは価値(意見)について議論するよりも安全である。事実なら証明することができるからだ。お互いの価値観について議論しだすと、相手の価値観を否定的に言えば相手自身が悪人であるかのようになってしまう。価値については建設的な議論の仕方を学ぶ必要がある。社会として、こうした議論を重ねていけば、科学的な問題についてよりよい解決法に達することができるだろう。しかし、何でも解決できる万能な解決方法は存在しない。」

代わりに、ディエッツ教授は、状況を診断し、考えられるすべての視点(価値)に基づく計画を立ててみることを提案している。また検討はなるべく早期の段階から介入すべきだとしている。

出典は『国立科学アカデミー論文集』 (論文要旨)


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