2018.4.11
, EurekAlert より: 
自閉症の子供たちが、特定の野菜、果物、肉を拒絶し、炭水化物と砂糖の多い食品を多く好む傾向があるようだ、という米国テキサス大学からの研究報告。著者らの最近(2016年)のレビューと第44回国際行動分析学会年次大会での発表から。子供たちが食事を楽しめるようにしたい、と研究者らは語っている。
テキサス大学サンアントニオ校の(UTSA)の学際的学習教授学科の特殊教育准教授であるブリアント・シルバウは、自閉症スペクトラム障害(ASD)を患う小児の小児摂食障害に関する革新的な行動研究をリードしているという。
シルバウは、UTSAの学生とともに、UTSAダウンタウンキャンパスの自閉症研究センターの一部であるシルバウ行動研究グループ(SBRG)摂食研究室で子供とその親と一緒に作業している。
研究室および地域社会の家庭や診療所において、シルバウと彼のチームは、発達障害の子供の摂食障害を特定するための行動評価を行っている。研究チームは、家族の食生活に含まれる食品などから、子供たちが食べるものと拒絶するものを検討した。
「私たちは、個別化アプローチによって、子供の摂食問題の特徴と、家族が食べさせたいと望む栄養価の高い食品を明らかにし、摂食関連の社会的スキルを指導して食事を楽しむことができるようにしたい」とシルバウは言う。「この評価と介入において、両親は積極的な参加者であり、何が起こっているのか、摂食障害にどう対処するのかについて知らされている。」
研究を通して、シルバウは、自閉症の子供たちが、吐き出したり、怒りったり、投げたりすることによって、特定の野菜、果物、肉を拒絶し、炭水化物や砂糖が多い食品を強く好むことを観察した。
シルバウらの介入研究についての最近のレビューでは、自閉症児の摂食を改善することができる応用行動分析に基づく多くの行動介入があることが判明している。
たとえば、自閉症児は口いっぱいに食べ物を長時間詰め込んだままにして、食事が進まなくなる場合があるが、これに対しては、咀嚼して嚥下する、という明確な指示を行うとともに、嚥下したら好みの食べ物を一口与えたり、咀嚼のあとに食べ物が口に残っていたら水を少し飲んでみるよう勧めたりすると効果があることが示唆されている。
出典は『自閉症および発達障害レビュー雑誌』。 (論文要旨)
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