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[子供]  成人期の健康な肺に関連する小児期のフィットネス
2018.2.15 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

フィットネスレベルの高い子どもで幼年期から成年期までを通じてフィットネスが増進するようなヒトは肺機能がその他の若年成人に比べてより良い傾向にあるようだ、というニュージーランド・オタゴ大学の研究者らによる報告。

成人前期で肺機能が良好であることは慢性的な肺疾患を後に罹患するリスクが低下する。だが現在までのところ、幼年期を通じたフィットネスレベルが成人してからの肺機能にどのような影響をもたらすのかについての根拠はほとんど蓄積されていないのが現状である。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような慢性的肺疾患は、世界的規模で見た場合に健康を悪化させている主要な原因であり、また高齢化に伴ってその状態も今後より悪化することが想定される。本研究は、子ども時代をフィットネス高く過ごすことによって将来的な肺疾患リスクを低下できる可能性を示唆する、初期の根拠となるものだ。

身体活動とフィットネスレベル、肺機能の成長というのは複雑な問題であり、これまで理解が成されてきたとは言いがたい。さらに研究対象とすることも、長期間の追跡を子どもたちに行うという事は費用もかかり期間も時間もかかることであり、非常に難しいというのが現実なのだ。本研究では、子どもで身体的フィットネスの高いものは若年成人になってからも肺機能が良好であるまま推移することが明らかになっている。これによって、慢性肺疾患を後に発症するリスクは低下する可能性があると研究者らは考えているのだ。

研究ではトータルで2,406人の子どもが検討された。ニュージーランド・ダニーデンの子どもたち1,037人、デンマーク・オーデンセの子どもたち1,369人である。これら2群の子どもたちのフィットネスレベルと肺機能が客観的手法を用いて幼年期、思春期、若年成人期の3段階で計測されたのだ。

オーデンセ群では、有酸素性フィットネスが9歳、15歳、21歳、29歳の時点で、ステーショナリーバイクを用いて疲労困憊に至るまでの時間が計測された。ダニーデン群は同様にバイクテストを15歳、26歳、32歳、38歳の時点で実施し、運動による心拍性応答を測定して推定フィットネスレベルを測定した。両群ともに、肺機能テストが同じ年齢の時に行われている。

結果、フィットネスレベルの高い子どもは肺機能が良好であり、子ども時代のフィットネスレベルの亢進が進めば進むほど、成人してからの肺機能もより高い状態まで到達している傾向が明らかになった。この肺機能とフィットネスレベルの関連性は、身長や体重、ぜん息などの有無、喫煙習慣の有無を計算に入れても同じように存在していた。また、その影響は男子において、女子よりもより強い影響が見られたのだ。

このような肺機能とフィットネスレベルの関連性についてその詳細な機序が明らかになっているわけではないのだが、一つの説明付けとしては、フィットネスレベルの高い人々はより呼吸筋機能が、その他の筋力同様に強い可能性があるということである。

2群でのこの研究は現在も進行中であり、研究者らはこれらの対象者らが年齢をさらに重ねていった後でのフィットネスレベルと肺機能の関連性についてのデータを収集していくことを希望している。これによって、子どもの頃のフィットネスレベルの高さが肺機能にあたえた影響が持続するのかどうか、またフィットネスが実際に肺疾患に対する予防効果を持ちうるかどうかについて検討する事ができる様になる。

もしも、子どもの頃のフィットネスレベル改善による肺機能の向上が成人になっても持続するということであれば、フィットネスレベルを改善したり維持したりすることが慢性肺疾患の削減に重要な役割を果たすと解釈する事ができるのだ。

当面のところ、本研究の知見は、現在いる子どもたちが身体活動性を高めフィットネスレベルを亢進させることを推奨するべき新たな根拠となるものである。運動とフィットネスレベルが身体に良い健康効果をもたらし、この事が肺機能のみならず健康のその他の側面にも良い影響を与えているのである。また、子どもの肺の成長ということで考えるなら、間接喫煙を避けることや健康的な食習慣を維持することと同様に、定期的な運動、とりわけ空気のきれいなところでの運動は、肺の最適化された成長にも関わることであるのだ。

より肺機能が良ければ、より後年になってからの肺疾患予防が期待できる。この事は子ども時代から成年期を通じた定期的なスポーツ活動がでより高い肺機能を持続させることが、後年になるまでの「肺の保険」のような役割をになっているとも言えるかも知れない、と研究者はまとめている。

出典は『欧州呼吸器雑誌』。 (論文要旨)      
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