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[栄養]  食物繊維と健康、最新の研究
2018.1.10 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

食事中の食物繊維の量が全身の健康状態に強い影響力を持つのはなぜか。そのメカニズムを明らかにした最新の論文2報が発表された。これらの中では、単に食物繊維サプリメントを摂取しても利点があまりない可能性も示唆されている。

ご馳走いっぱいの楽しい連休。でもお腹まわりが気になる・・・というあなた、腸内細菌の食べるものに気を留めてみよう。それは、カロリーにはならず、健康的な食事に入っている「食物繊維」。人間の身体では消化されないが腸内細菌に食べられるものだ。

食事中の食物繊維の量は、体重増加や血糖、インスリン感受性や腸の健康に影響する可能性がある。食物繊維はどのようにして、なぜそんなに全身に強い影響力を持つのか―そのことにスポットを当てた最新の論文が2報発表された。

「いったんメカニズムが分かれば、健康増進のための様々な方法で利用することができます。利点を最大にするために食生活を改善できるようになるでしょう」と一方の論文の著者で米国ジョージア州立大学のゲウィリツ氏。食物繊維は、様々な形で果物や豆類、野菜、全粒穀物などに含まれている。いわゆる西欧式食は脂肪や砂糖が多めで、食物繊維に乏しく、炎症性大腸疾患や体重増加、糖尿病のリスク増加との関連があるとされている。

「西欧諸国の平均的な人の食物繊維摂取量は、ここ数十年で大幅に減少していることが明白になりつつあります。」とはもう一方の論文の著者であるスウェーデン・イエーテボリ大学のバックヘド氏。

両氏の研究はいずれも、マウスへ食物繊維の極端に少ない食事を与えることから始めている。低食物繊維食によって、マウスは体重や血糖、インスリン抵抗性が急速に増大した。

バックヘド氏の研究では、低食物繊維食を与え始めてからわずか3-7日後には、大腸の保護粘液層に問題が生じることが明らかになった。粘液層のバリア機能が低下し、細菌が大腸の上皮細胞を侵食したのだという。

ゲウィリツ氏の研究では、低食物繊維食によってマウスの大腸の厚みが大幅に失われたほか、大量の腸内細菌が死滅しただけでなく、別の腸内細菌による不健康なバランス異常を呈したという。

「これらの論文は、細菌と宿主である人間を分ける際に、内側粘液層が重要であることを示しています。食事と腸内細菌の変化の反応がいかに動的で急速なものであるかのよい実例となっています。」と、バックヘド氏の共著者でイエーテボリ大学のハンソン教授。

ゲウィルツ氏は、「私たちの論文とバックヘド氏の論文はいずれも、本質的に同じ結論に達しています。食物繊維の欠乏によって細菌が粘液層を侵食し、さらに細菌が軽度の炎症を促進し、メタボリックシンドロームの一因となる、というものです」としている。

さらなる研究によって、両研究チームはそれぞれ異なる治療法を試みた。バックヘッド氏とハンソン教授らのチームは、健康なマウスの腸内細菌を移植することで、大腸粘液層の有害な変化のいくらかを緩和できることを明らかにした。善玉菌であるビフィドバクテリウム属を投与すると、大腸粘液の増加の問題に効果があったが、粘液浸透性には影響しなかった。

一方、水溶性食物繊維の一種、イヌリンを餌に添加すると、マウスの粘液浸透性が低下したものの、粘液の増加を助けるものにはならなかった。イヌリンの量を餌の20%に増やしたところ、マウスのメタボリックシンドロームの様相は改善し、体重が減り、血糖コントロールが非常に良くなったほか、腸内細菌の数を増やしたり多様性をもたらすなどの効果があった。

しかし、イヌリンのサプリメントでは、マウスが低食物繊維食を食べる前の腸内細菌の状態まで完全に戻すことはできなかったという。このことは、健常な腸内細菌を持たない人に対して、サプリメントによる治療を行うと、合併症を引き起こす可能性を意味している。ハンソン教授は、「ただ食事に食物繊維を添加すればよいわけではありません。あなたがどんな腸内細菌を持っているかによるのです。」と話す。

加工食品へ精製された食物繊維を単に添加するということは、健康上の利点が若干あるかもしれないが、食物と腸内細菌、宿主の間には非常に複雑な相互作用があり、それらを深く理解できるまでは添加を推奨すべきでない、とのことでゲウィルツ氏らの意見は一致している。

出典は『細胞:宿主と病原菌』。 (論文要旨)      
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