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[栄養]  「ゴールデン」ポテトは、ビタミンAとEの恩恵をもたらす
2017.11.15 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

実験的に作られた「ゴールデンポテト」が、発展途上国の疾患予防の切り札になるかも知れない。発展途上国の多くでは主食としてジャガイモが利用されているが、遺伝子工学的に生成された子のポテトを利用することで、子どものビタミンA所要量の約42%、ビタミンE所要量の34%を満たすことができる様になる可能性がある、とオハイオ州立大学の研究者が報告している。

出産可能年齢である女性に必要なビタミンAの約15%、さらに同じくビタミンEを17%、Tサービング150gのこのジャガイモから満たすことが可能であるという。

ジャガイモは、世界的に見て第4位の主要消費作物である(1位からコメ、麦、コーンの順)。アジア、アフリカ、南米の国ではこれを主食として用いている国もあり、この国々では典型的にビタミンAおよびEの不足状態が見られる現状がある。

80万人を超える人々が主たるエネルギー源としてジャガイモを利用しており、これらの人々の多くが主要なビタミンを十分に摂取できて織らず、しばしばビタミンA及びEの欠乏症を起こしているということなのだ。

今回作られたゴールデン・ポテトと呼ばれるジャガイモは、通常のジャガイモに比べてずば抜けて多くのビタミンAおよびEを含有しており、こういった欠乏症やそれに伴った関連疾患の頻発しているジャガイモ主食地域での栄養補給源としてかなりの効果を期待できるものである、と研究者は主張する。

ビタミンAは、視力、免疫性、身体器官の発達、成長、そして生殖性の健康に必要不可欠であると言われている。そしてビタミンA欠乏は子どもにおける予防可能な失明の主要な原因となっている。ビタミンEは酸化的ストレスや炎症性反応から身体を保護する役割があって、神経性のダメージや、筋、視力、免疫系統に対する保護作用を有している。

研究者らの実験室では、ヴァーチャルリアリティを利用して口腔、胃、小腸のモデルを作成し、消化器系統をシミュレーションしたモデルから、ビタミンAとEがどの程度このゴールデンポテトを消費することによって体内に吸収されるのかを推計した。プロビタミンAのカロテノイドは酵素によって人の体内で利用可能なビタミンAに変換される。カロテノイドは脂溶性色素であり、果物や野菜に黄色、赤、オレンジの色をもたらしている。これらの色素はヒトや動物にとって生存に欠かせない栄養素なのである。

研究者らは、ゆでたゴールデンポテトをすりつぶし、上記のヴァーチャルモデルを利用してどの程度、脂溶性プロビタミンAの生物学的利用能が高まるのかを測定した。結果、このポテトのビタミンAおよびEの生物学的利用能は、期待以上に、驚くべき高さを表したのである。

このゴールデンポテトは、未だ市場化されていないが、イタリアの研究者とオハイオ大学の共同研究から産み出されている。まだ実験段階でしかないのだが、より高濃度のカロテノイドがジャガイモに主食を強く依存している地域のビタミン不足の栄養状態を改善する可能性が期待できるのである。

いくつかの品種のクロスブリードによってこれまでも栄養価の高い食品の生成に成功してきた例は見られているが、このゴールデンポテトの栄養価を達成するにはメタボリック・エンジニアリングと呼ばれる手法を用いるしかなく、現状では実験室の中での遺伝子操作によってのみ生成されるのである。

こういった遺伝子組み換え食品の生産には反対する人たちもおり、この種の研究自体に意義を申し立てている人もいるのだが、本研究の研究者たちは、ゴールデンポテトが発展途上国の子どもの失明を予防したり、早期死亡を成人や子ども共々に抑制する可能性があることの利点を強調している。

栄養の必要性というものは、国や地域によって異なるものであり、本研究者らの最終目的とするところは安全で栄養価の高い食品を世界中の90億人に向けて届けることである、と研究者は指摘する。ミクロ栄養素の欠乏による「隠された飢餓」とでも呼べるような状態が多くの発展途上国では発現している。これらの地域の主食となる食品が、高生産性と耐病害性は強く意識して生産されているものの、その栄養価についてはあまり考慮されていない、という側面があるからなのである。ゴールデンポテトはその解決策となり得る可能性を秘めている、と研究者はまとめている。

出典は『プロスワン』。 (論文要旨)      
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