2017.11.15
, EurekAlert より: 
ホーロー引きのカップなどには、鉛やカドミウムなどの有毒物質が含まれている可能性があり、そのような製品を長期間使用することで、私たちは有害物質を摂取し続けている可能性があるようだ、という英国プリマス大学からの研究報告。
研究チームは、タンブラー、ビールグラス、ワイングラス、瓶など、新品あるいは中古品のドリンクグラスの製品72個について、197回の試験を実施した。
その結果、グラスの表面や場合によっては縁に、鉛(139例)やカドミウム(134例)が含まれていることがあり、その濃度が限界水準よりも1000倍以上高いことがあることも判明した。
さらに、長期間の使用をシミュレーションした試験において、グラスから塗料の破片がしばしば剥がれ、長期にわたってその物質を摂取する可能性があることが示された。
製品の70%以上(72個中52個)で、鉛について陽性と判定された。調査した色の製品すべてにおいて鉛が検出され、一部の製品では金箔の飾りから鉛が検出されることもあった。カドミウムについても同様の結果が得られた(72個中51個が陽性)。また、通常は、赤色エナメル塗料で鉛やカドミウムが最も高い濃度で検出されることが多かった。
鉛濃度は約40〜400,000ppmの範囲で確認されたが、カドミウムの量は約300〜70,000ppmの範囲で確認された。なお、米国環境衛生ハザード評価局(EPA)によると、ドリンクグラスの外側の飲み口の部分に塗布されるものの限界水準は、鉛では200ppm、カドミウムでは800ppmであるとのことである。
出典は『トータル環境科学』。 (論文要旨)
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