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[運動]  運動が脳に良いメカニズムが明らかに
2016.6.9 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

脳神経に良いとされる物質の生成を邪魔する、悪者の発生を抑えるのに役立つ物質が、運動によってつくられることがわかったという。ニューヨーク大学ランゴーニ医療センターの動物実験から。

ケージ内で飼われているマウスが、回し車で運動したいという熱心な思いは、運動が哺乳類の脳にもたらす利益を分子レベルで説明するのに役立った?!

1ヶ月間活発に運動したマウスと、運動不足のマウスの脳を比較した実験で、運動が人間の脳を良い状態に保つことが期待できるという証拠を増やしただけでなく、神経疾患を防ぐ新しい戦略が示唆されたという。

この研究では、マウスが運動している間に脳内で自然に蓄積される、脳由来神経栄養因子(BDNF)と呼ばれるたんぱく質の生成を始動する化学物質の測定を報告した。

1980年代に発見されたBDNFは、記憶力を高めたり神経細胞を成長させるという役割から、脳にとって「奇跡の成長」をさせる物質とされてきた。

「私たちは研究で、運動が哺乳類のBDNF産生を増やす正確なメカニズムを明らかにしたと信じています。」と研究者のチャオ博士は話す。運動習慣があるとBDNFのレベルが高くなり、認知症にかかる率が低下するのだという。

さらに他の研究では、アルツハイマーやハンチントン舞踏病の患者の脳のBDNFレベルは、脳の病気がない人の半分であることが示されている。

今回の研究でわかった重要な点は、肝臓で生成されるケトン類の一種、βヒドロキシ酪酸(DBHB)が、BDNF遺伝子を活性化してたんぱく質をより多く産生させる引き金となるということだった。

DBHBが、運動によって身体や脳に蓄積されることはずっと前から知られていた。ケトン類は、動物が運動するときに体内の糖分を使い切ってしまった場合、代わりに脂肪をエネルギー源として利用した際に生じる副産物だ。

DBHBは、BDNF遺伝子を変化させてBDNFの産生を抑えてしまう「ヒストン脱アセチル化酵素複合体(HDACs)」とよばれるたんぱく質が脳で生成されるのを防ぐことがわかった。

非常に大ざっぱにまとめると、脳神経に良いとされる物質の生成を邪魔する悪者の、発生を抑えるのに役立つ物質が運動によってつくられるということだ。

なお、BDNF遺伝子は精神安定剤の一種によっても活性化することが可能で、動物実験ではこの薬によってBDNFの産生を50%も増加させることができたという。

出典は『eLife』。 (論文要旨)      
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