栄研スタッフによる解説論文集

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生体における無機質の生理学的および病態生理学的特性

西牟田 守 (国立健康・栄養研究所 栄養所要量研究部)


はじめに

ミネラル(無機質)の生理学的およぴ病態生理学的特性が一部解明され,その特性 の解析をする新しい学問体系,元素学(Elementology)または元素栄養学 (Element ological Nutrition)が派生した。元素栄養学とは元素の生物物理化学的特性を考 慮しながら生体における元素の栄養学的諸問題を検討する学問である。なお,ミネラ ルとは水素,炭素,窒素,酸素の4元素以外の元素の総称と厳密に定義されている1) 。本稿の「ミネラル」はここに述べた定義に従って用いるが,一般用語として定義が 曖昧に用いられる場合があるので注意が必要である。ヨーロッパでは瓶詰された飲料 水をミネラルウォーターと呼ぶ場合があるが,特定のミネラルが多く含まれていると いう意味合いはない。本稿ではミネラルの栄養学的特性,生理学的特性などを概説し ,元素栄養学からみた臓器機能,健康,疾病などについての考え方を紹介したい。


各元素の栄養学的・生理学的特性

1.ミネラルの分類1)

1)必須ミネラル

現在のところ人において必須性が確定しているミネラル(必須ミネラル)は以下に 述べる16種類ある。しかしそれ以外の元素も今後の研究によって必須性が証明される 可能性があるので,必須性が確立していないミネラルを非必須ミネラルと呼ぶことは できない。

2)摂取量によるミネラルの分類(表1)

ミネラルは1日の摂取量で分類することができる。1日の摂取量がおおむね100mg以 上あるミネラルを主要ミネラルと定義する。主要ミネラルはナトリウム(Na),カリ ウム(K),塩素(CI),リン(P),カルシウム(Ca),マグネシウム(Mg),硫黄 (S)の7元素であり,いずれも必須ミネラルである。1日の摂取量がおおよそ100mg未 満であるミネラルを微量元素と定義する。微量元素のうち,1日の摂取量がおおよそ1 mg以上ある必須ミネラルは亜鉛(Zn),鉄(Fe),銅(Cu),マンガン(Mn)の4元 素である。必須元素ではないが1日の摂取量がおおよそ1mg以上あるミネラルはルビジ ウム(Rb),ストロンチウム(Sr),アルミニウム(A1),フッ素(F),臭素(Br )などであり,人における必須性が検討されている。
 1日の摂取量が1mg以下の必須ミネラルはコバルト(Co),クロム(Cr),ヨウ素( I),モリブデン(Mo),セレン(Se)の5元素である。


表1     摂取量によるミネラルの分類

摂取量100mg/d以上(主要ミネラル):7元素 Na,K,Cl,Ca,Mg,P,S(すぺて必須元素) 摂取量1mgld以上、100mg/d未満(微量元素1) Zn,Fe,Cu,Mn(必須元素・4元素) Al,Br,Zr.Sn,Si,Rb,Sr,Fなど (必須元素として確立していない) 摂取量1mg/d未満(微量元素2) Co,Cr,I,Mo,Se(必須元素・5元素) 必須牲が確立していないその他の元素

3)生理的存在部位によるミネラルの分類(表2)2)
(細胞内ミネラル,細胞外ミネラル,骨ミネラル)

生理的存在部位によりミネラルを分類することができる(元素栄養学の第一法則) 。

細胞内濃度が細胞外液より高いミネラルを「細胞内ミネラル」と定義する。細胞内 ミネラルは,細胞が濃度勾配に逆らって細胞外から取り込むことによって細胞の活性 を維持しているミネラルであり,K,Mg,P,Zn,Feなどがこれにあたる。

逆に,細胞外液の濃度が細胞内より高いミネラルを「細胞外ミネラル」と定義する 。細胞外ミネラルは,細胞が濃度勾配に逆らって細胞外に排除することによって,細 胞の活性を維持しているミネラルであり,Na,CI,Caなどがこれにあたる。

Cuは脳髄膜炎などで脳脊髄液の濃度が10倍程度上昇するが,生理的条件下では細胞 内外の濃度差は少なく,いずれにも属さない。また,Mnは,地殻や植物には比較的多 く存在するものの,動物の細胞や細胞外液(血液)にはほとんど存在しないので,や はりいずれにも属さない。Sやその他の元素に関してはよく判っていない。

骨を構成し,骨が貯蔵庫として機能している主要ミネラルを「骨ミネラル」と定義 する。骨ミネラルは細胞内ミネラルのうちPとMg,細胞外ミネラルのうちNaとCaであ る(元素栄養学の第二法則)。また,微量元素のうちZnも骨に多く存在する。

したがって,骨のミネラル組成は細胞内とも細胞外液とも異なることがわかるとと もに,ミネラルの存在部位から身体の構成要素を考えると,身体は細胞,細胞外液, 骨の三つの要素のみから構成されていると考えることができる。(図1)


表2     生理的存在部位によるミネラルの分類

(元素栄養学の第一法則) 細胞内ミネラル K,Mg,P,Zn,Feなど 細胞外ミネラル Na,Ca,Clなど いずれにも属さないミネラル S,Cu,Mnなど 骨ミネラル(骨を構成する主要ミネラル) 細胞内ミネラルのうち・P,Mg 細胞外ミネラルのうち・Na,Ca

4)体内のミネラル存在量による分類(表3)3)

この分類方法は摂取量による分類とは多少異なる。体内に存在する元素の中には, 必須性の証明されているMnよりも存在量が多い,必須性の明らかでない元素も多く含 まれる。

必須ミネラルの体内存在量は,摂取量や排泄量とともに,元素相互問の代謝特性を 考察する場合に重要な要素となる(元素栄養学の第三法則)。

Caは健康な成人で約1000g存在し,そのほとんどが骨に存在するのに対し,Mgはそ の40分の1,25g程度(表3では19g)しか存在しないが,その65%程度が骨に存在する 。

骨中でマグネシウムはカルシウムハイドロオキシアパタイト中の爽雑物のように存 在しており,結晶が大きくなるのを防ぎ,骨を柔らかくさせている。しかし,マグネ シウムが重量でカルシウムの10%以上存在すると結晶は不安定となる(表4)4)。し たがって,実際の骨中のカルシウムとマグネシウムの重量比率は,10〜100:1程度と 考えられる。また,マグネシウムとリンは細胞内ミネラルであるとともに骨ミネラル であり,血液を介して骨と細胞の間を行き来していると考えることが重要となる。


表3     体内のミネラル存在量と摂取量

元素名 体内存在量(比率) 摂 取 量(比率) (g/人)(%) (mg/日/人)(%) Ca 1.0E+03(1.4) 1.1E+03(3.4E‐02) P 7.8E+02(1.1) 1.4E+03(4.3E‐02) K 1.4E+02(2.0E‐01) 3.3E+03(1.0E‐01) S 1.4E+02(2.0E‐01) 8.5E+02(2.6E‐02) Na 1.0E+02(1.5E‐01) 4.4E+03(1.3E‐01) Cl 9.5E+01(1.4E‐01) 5.2E+03(1.6E‐01) Mg 1.9E+01(2.7EL02) 3.4E+02(1.0E‐02) Si 1.8E+01(2.6E‐02) 3.5 (1.1E‐04) Fe 4.2 (5.9E-03) 1.6E+01(4.9E-04) F 2.6 (3.7E‐03) 1.8 (5.5E‐05) Zn 2.3 (3.2E‐03) 1.3E+01(4.0E‐04) Zr 4.2E-01 (6.0E‐04) 4.2 (1.3E‐04) Rb 3.2E‐01(4.6E‐04) 2.2 (6.7E‐05) Sr 3.2E‐01(4.5E‐04) 1.9 (5.8E‐05) Br 2.0E‐01(2.8E‐04) 7.5 (2.2E‐04) Pb 1.2E‐01(1.7E‐04) 4.4E‐01(1.3E‐05) Cu 7.2E‐02(1.0E‐04) 3.5 (1.1E‐04) Al 6.1E‐02(8:7E‐05) 4.5E+01(1.4E‐03) Sn 1.7E‐02(2.4E‐05) 4.0 (1.2E‐04) Mn 1.2E‐02(1.7E‐05) 3.7 (1.1E‐04)
表4 骨中のミネラル(重量)比卒
(元素栄養学の第三法則)  マグネシウムを1としたときのカルシウム含量と     ハイドロオキシアパタイトの安定性  Ca         Mg   100以上       1  大結晶化(胸弱)   10〜100       1  小箱晶(安定)   10以下       1  非結晶(不安定)

2.ミネラルの血漿レベルにおける恒常性

Mgをはじめとする主要ミネラルのうち細胞内ミネラルも細胞外ミネラルもその血漿 (血清)濃度が一定であるという特性がある。この恒常性は早朝空腹時における恒常 性であるが5),食事6,7),運動8,9),そしておそらくはある種のストレス10) によって変化する。ミネラルの血漿レベルでの恒常性を保つ機構は未だに明らかにさ れていない部分が多いが,外因性の補給のほかに,細胞と骨から供給され,また,腎 臓,消化管,皮膚などの排泄によって調節されている。

3.消化管におけるミネラルの吸収・排泄

消化管は腎臓でほとんど排泄されない鉄,亜鉛,銅,マンガンなどの排泄経路であ るとともに,カルシウム,マグネシウムなどの一部も排泄される。また,腎機能が低 下すると消化管がカリウムなどの主な排泄経路となる。

ヒトにおいても,食事中および糞便中のミネラルを測定することによってミネラル の吸収率を推定することができる。しかし,消化管には消化液や排泄物,脱落粘膜な どとしてミネラルが内因性に放出され,その一部は,食事によって供給されたミネラ ルとともに再び吸収される。したがって,食事によって供給されたミネラルの吸収率 (真の吸収率)は求められないので,この方法で求めた吸収率は「見かけの吸収率」 と呼ぱれている。同位元素を用いることによって食事中の(外因性)ミネラルの真の 吸収率を求める方法もあるが,一度腸管で吸収されたミネラルが胆汁などの消化液と して排泄されるという誤差要因が存在することを考慮にいれる必要がある。

ミネラルの種類によって,見かけの吸収率は異なっている。ナトリウム,カリウム など1A族の元素,塩素,ヨウ素など7B族の元素とリンは全量吸収され,カリウムとリ ンは大腸などで一部分泌されると考えられている。

カルシウム,マグネシウム,鉄,亜鉛などは消化管での吸収排泄が調節されており ,ストレス負荷などによって吸収が抑制されるか腸管への排泄が亢進し,亜鉛などは ときとして摂取量を超える糞便中排泄がおこる。

ケイ素(Si)やアルミニウム(A1)は比較的摂取量の多いミネラルであるが,通常 の条件ではほとんど吸収されない。

なお,その他の元素では,吸収について不明な点が多いが,有害重金属や放射性同 位元素の吸収については,見かけの吸収率を測定することによって,必須元素との類 似性が検討できる。

4.腎臓におけるミネラルの排泄

腎臓は体内の老廃物の排泄器官であるとの認識が一般的である。主に尿中に排泄さ れるNa,K,C1,Ca,Mg,Pの恒常性維持器官とも考えられている。しかし,腎臓のミ ネラル排泄調節機構は完全ではなく,摂取の過不足とは直接関係なく,ミネラルの排 泄が増大する場合がある7,9.11)。腎糸球体における濾過機構,尿細管における再 吸収分泌機構を考えてみると,原尿中に現れたミネラルは,ほとんどが再吸収されて いるので,再吸収などの過程が修飾されれば,必要なミネラルが尿中に失われると考 えられる。

すなわち,運動過多9),エネルギー摂取過剰7,12−15),ストレス11,16,17) などミネラルの摂取量と直接関係しない因子によってカルシウム,マグネシウムの尿 中排泄量が増加し,ナトリウムの排泄量が低下する場合がある。

また,尿中ミネラル排泄はそれぞれのミネラルが過不足に応じて排泄されるだけで はなく,一つのミネラルが排泄されるとそれに伴って他のミネラルが排泄されるとい う,ミネラル間での相互関係がある(元素栄養学の第四法則)。

すなわち,健常者の場合,尿中に排泄されるカルシウムとマグネシウムは等モルか マグネシウムの方が多いが,何かの異常があるとカルシウムの排泄が多くなると考え られる16)

また,食塩水負荷によりナトリウム排泄が増大する場合にはカリウム排泄も増大す るが18),カリウムを負荷してもナトリウムの排泄は増大しない。
 なお,実験的にマグネシウムを補足し摂取量を多くすると,尿中マグネシウム排泄 量は増加するが,その程度はわずかであり,カルシウムの排泄には影響を及ぼさなか った19)


表5     尿中のミネラル(モル)比卒

(元素栄養学の第四法則) CaとMg 生埋的条件では CaくMg Mg不足の条件では Ca≧Mg NaとK 生理的条件では Naく2K K不足の条件では Na≧2K

5.汗腺におけるミネラルの排泄

汗腺はヒトにおいて特に発達した器官であり,体温調節,特に放熱,を合理的に行 うために重要な役割をもっている。しかし,同時にミネラルの排泄器宮でもあり,有 害重金属の一つである鉛や必須ミネラルの亜鉛の汗中濃度が高いことが明らかになっ ている。また,食塩制限下(食塩1日6g)に自転車エルゴメータによるややきつい運 動(1.5kp,50rpm)を連日,午前午後各一時間行うと,腕汗中のCa,Mg濃度が上昇 する場含があった20)

以上,各元素の栄養学的・生理学的特性の概略を述べたが,未だに解決されていな い問題も多く残されている。


元素栄養学から見た生埋学・病態生理学の問題点

6.毛細血管を介する物質交換系における赤血球中ミネラルの動態

血液中では細胞外ミネラルは血漿中に,細胞内ミネラルは血球成分中に多く含まれ ,しかも,血漿中の主要ミネラル濃度は一定に保たれている。
 しかし,毛細管や腎糸球体など血管の断面積が赤血球の大きさより小さい場所を血 球成分を含む血液が通過する際に,赤血球内部のミネラルがどのように移動するかを 論じられることは少ない。

血漿中に多く存在する細胞外ミネラル(Na,Caなど)の腎臓における調節動態の指標 であるフラクショナルエクスクリーション(Fructional Excretion:FE)が1%前後 であるのに対し,血球中に多く存在する細胞内ミネラル(K,Mg,Pなど)のFEは10%前 後である。この事実は,血球中のミネラルが赤血球より小さい糸球体でスクイズ(絞 り出されて)濾過されている可能性を示唆している。したがって,細胞内ミネラルに 関しては,血清濃度を用いる現在のFEの算出方法が非生理学的であり,全血を用いた 方法が生理的方法である可能性があり,今後の検討が待たれる。

7.糖尿病

糖尿病と関連すると考えられているミネラルはMg,Zn,Pなどの細胞内ミネラルとN a,Caなどの細胞外ミネラルなどである。
 糖尿病はインスリンの相対的,絶対的作用不足による高血糖糖などをはじめとする 代謝異常と説明され,細胞外液(血漿)中の指標(血糖,インスリン)を測定し,病 態を評価しているが,細胞中の指標や糖尿病状態の細胞の特性については言及されな い場合が多い。

しかし,細胞を中心に考えると,糖尿病は血糖値が高くなっているにもかかわらず ,細胞が(その活性が低下しているために)糖を取り込めない状態ということもでき る。

両者の違いは,食餌療法などでの糖尿病のコントロールを評価するときに明らかと なる。
食事療法として,摂取エネルギーを低下させ,血糖値が低下した場合の評価は,前者 の場合,コントロール良好となる。しかし,後者の場合,低下したのは血糖値であり ,細胞は依然として活性を低下させたまま,糖を取り込めない状態であることも考慮 に入れることになる。高血糖の是正は,必ずしも細胞の活性回復,糖取り込み能の回 復を意味しないからである。

細胞の活性を考慮すると,糖尿病の食餌療法では,エネルギー以外の栄養素を通常 の摂取量以上に補給し,細胞の活性を高めることが基本となる。

一方,糖尿病状態で運動すると,ときとして低血糖を伴う。その病態生理学的機序 は,インスリン感受性が上昇したためと説明されているが,その機序を説明できる物 質は同定されていない。

細胞中心に低血糖を考えると,運動により,細胞自身が細胞内に細胞内ミネラルを 取り込んで細胞の活性が回復し,細胞外液の糖を取り込めるようになると考えられる 。この場合,細胞が細胞内ミネラルを取り込むと考えられるので,細胞内ミネラルの 血清レベルも同時に低下すると予測されるが,証明されていない。なお,健常者では ,軽運動後に血清Mgは一過性に低下する8)

8.骨粗鬆症とカルシウムパラドックス

骨粗鬆症は加齢などの原因で骨塩が減少し,小さな外力を受けても,骨折を起こす 骨の代謝性疾息である。

その発症因子として,身体の中で99%以上のカルシウムが骨に存在すること,カル シウムの摂取量は日本人の栄養所要量を充足させていないこと,などと併せて考察し ,カルシウム不足が骨粗鬆症の原因とする「カルシウム不足説」が一般的には信じら れている。

一方,カルシウム不足の病態では,カルシウムの腸管での吸収が亢進し,尿中排泄 は低下するのが一般的であるのに対し,骨粗鬆症の患者では骨吸収が亢進し,カルシ ウムの腸管での吸収が低下し,尿中排泄は亢進している。そこで,必要なカルシウム を吸収させるために,カルシウムを補足したり,吸収を亢進するホルモン(活性型ビ タミンD3)を投与しているのが現状である。

しかし,骨粗鬆症の病態では,同時に細胞内カルシウムの増加,異所性カルシウム 沈着も引き起こされており,ホルモン等で強制的に腸管から吸収されるカルシウムが 骨のみに移行する保証はない。カルシウムの不足が,細胞内でカルシウムが増加する 状態を作り出しているというこの理論矛盾は,「カルシウムパラドックス」と呼ばれ ているが,カルシウム不足以外の因子の関与を示唆している。

元素栄養学の立場から,骨粗鬆症の病因を考える場合には,元素栄養学の4法則に 照らし合わせ検討することになるが,骨塩の減少と細胞内のカルシウム増加が同時に 矛盾なく説明されなければならない。

身体は細胞,細胞外液,骨の三要素のみから構成されており(第二法則),骨粗鬆 症患者では,生理的状態では細胞内には少ない細胞外ミネラル(第一法則)であるカ ルシウムが細胞内で増加し,細胞の活性が低下している。

そこで,骨粗鬆症の原因をミネラル不足とすると,骨を構成しているカルシウム以 外のミネラル(第一法則)が不足することが原因で,カルシウムの過不足とは独立し て,骨の吸収が亢進していると考えざるを得ない2,16)が,リン,ナトリウム,マ グネシウム,亜鉛などの不足によって,実際に骨吸収が亢進するか否かを検討するこ とが課題となる。

これまでに,精神的・肉体的ストレスやエネルギー摂取過剰などによって,カルシ ウムとマグネシウムの尿中排泄量が増大すると報告してきた。また,骨中のマグネシ ウムはカルシウムの10分の1以下しか存在できないこと,マグネシウム欠乏によって 骨のマグネシウムが低下することも報告されてきた(第三法則)。さらに,身体の中 にカルシウムは1000g程度存在するのに対し,マグネシウムはわずかに25g程度しか存 在せず,ストレス,過食などによってカルシウムとマグネシウムの排泄が当モルレベ ルで増大する(第四法則)と,はじめに不足するのは明らかにマグネシウムである。 したがって,マグネシウムの不足は骨吸収を亢進させ,細胞内のカルシウムを増大さ せる点で,骨粗鬆症の病態を矛盾なく説明できる。

なお,実際には,尿中カルシウム/マグネシウム比(モル比)が1を越える場合が あり,カルシウム排泄増大またはマグネシウム排泄抑制のメカニズムが存在すると考 えられる。したがって,尿中カルシウム/マグネシウム比を測定するという新しい診 断方法が成立する20)

一方,骨ミネラルの一つであるナトリウムの摂取量を食塩として一日6g程度に制限 しややきつい運動を負荷すると,汗のナトリウム濃度が低下するだけではなく,汗の カルシウム,マグネシウム濃度が上昇する場合がある21)。この現象は食塩摂取量一 日6gは摂取不足であり,ナトリウムの貯蔵庫である骨の吸収が亢進し,カルシウムと マグネシウムは必要以上に血液中に放出されるために,排泄を増加させ,汗中濃度が 上昇したと考えるとこの結果は矛盾なく理解できる。

そこで,食塩摂取量を一日6g以下の条件とし,ミネラルの出納実験を行ったところ ,24時間尿中ナトリウム排泄がすぐに低下した実験では,実際にカルシウムとマグネ シウムの出納がナトリウムの出納とともに負となった22)。しかし,24時間尿中ナト リウム排泄量が漸減した実験では,必ずしも同じ結呆にはならないので,更なる検討 が必要である。

食事と健康を考える場合,食塩摂取量は少なければ少ないほどよいという理論は棄 却する必要があり,ナトリウム不足は骨吸収を充進する可能性があるという理論を導 入する必要があると示唆される。

9.ガンとミネラル

ガンの病態生理,発症疫学に関しては,現在でも不明な点が多く残されている。
ガンの原因については,発ガン物質,ウイルス,放射線,ガン遺伝子などが,また ,ガンの増殖抑制に免疫機構が関与するとされ研究が続けられている。

原子爆弾や原子力発電所の事故,医療放射線暴露などによってガンになること,発 ガン物質の大量投与によってガンになることについては異論のないところである。し かし,日本人の多くが罹患しているガンの原因については,放射能や多量の発ガン物 質の関与は考えにくく,その他の因子を念頭に入れて考察を加えなければならない。

その他のガン発症因子のうち,遺伝素因については,家系的にガン患者が集積する ことから,今後,分子遺伝学的に詳細に検討されるものと思われる。

ここでは,ガンの発症理論のうち,その他の因子について,元素栄養学的立場から 検討し,考察してみる。

人類などの高等動物では成長期を過ぎるともはや身長の伸び(成長)は停止する。 人の身体を構成している細胞のなかには,成長後は増殖せずに次第にその数が減少す る神経細胞,腎糸球体,筋肉などの細胞があるが,そのほかに,成長後も増殖を続け 臓器の機能を維持している肝臓,血球,上皮,粘膜,腺組織などの細胞も存在する。

成長後発症するガンの場合,その頻度は年齢とともに増加し,ガンは老化とも関連 すると考えられるが,成長後も増殖を続け機能を維持している臓器の特徴は,成人後 にガンになりやすいことである。発ガン物質を用いた大腸ガンの動物モデルでは,マ グネシウムの補足によりガンの発生が抑制されると報告されている。マグネシウム不 足と関連する他の疾病と同じように,ガンの発生が臓器(細胞)の老化によるものと すると,ミネラルでは細胞内では細胞内ミネラルが低下し,細胞外ミネラルや銅など が蓄積することになる。また,細胞内ミネラルのうちリン,マグネシウム,亜鉛など ,骨が貯蔵庫であるミネラルの不足と発ガンとの間に関連がある場合には,ガンに伴 い骨の吸収が起きたり,ときとして,それらの血清レベルが上昇することから示唆さ れる。

実際に,無作為に血清マグネシウムを測定し,低マグネシウム血症を呈した息者を 調べると,担ガン患者が多いことが報告されており,マグネシウム不足とガンの発症 との関係は今後明らかにしなけれぱならない問題である。
 一方,DNA合成や免疫タンパクの合成に関与する酵素の活性中心に亜鉛が存在する ことから,亜鉛不足とガン発症との関連が示唆されてきたが23),今後,細胞内ミネ ラルであるカリウム,リン,マグネシウム,亜鉛,鉄の過不足と発ガンとの関連につ いての研究が望まれる。

10.尿中マグネシウム排泄量でマグネシウム摂取量を推定できるか

マグネシウム摂取量をナトリウムと同様に24時間尿中マグネシウム排泄量で推定で きれば,実用上便利である。しかし,マグネシウム供給量を一定にして尿中マグネシ ウム排泄量を測定すると,食事からの供給量が異なっても,個人内変動は少なく,個 人間変動は多い。これは,マグネシウムの栄養状態が個人ごとに異なることと,腸管 でのマグネシウム吸収が個人ごとに異なるためと考えられる。ナトリウムの場合には ,摂取した全量が吸収され,経皮損失を考慮しなければ,摂取に見合う尿中排泄があ ると考えられるので,特異的に尿中排泄量で摂取量を推定できる。
 しかし,マグネシウムの供給量を変化させると,わずかであるが24時間尿中のマグ ネシウム排泄量も有意に変化する19)。この変化は,実際には,はるかに大きい吸収 量の個人差によってマスクされ,尿中マグネシウム排泄量の測走は摂取量の指標とは なり得ない。

11.カルシウム,マグネシウム吸収のよい食品

牛乳,小魚,ほうれん草のカルシウム吸収については,栄養の分野ではよく問題と されている。また,活性型ビタミンD3が骨粗鬆症の治療薬としてカルシウム錠ととも に用いられている。

また,マグネシウムは薬理学的には吸収されない制酸剤,または緩下剤として用い られており,栄養素としての認識はこれまでは十分ではなかったと考えられる。しか し,栄養素として,マグネシウムは吸収される。

もし,特殊な条件なしに,吸収のよいカルシウム素材があると仮定すると,その過 程は即座に否定される。消化管でのカルシウム吸収は,一義的に,身体の要求によっ て制御されるからである。身体がカルシウムの吸収を抑制している場合に吸収されや すいカルシウム素材を用いると多く吸収されるとすれば,生体の恒常性維持機構では 有害となる。したがって,身体が吸収を抑制している条件下で,活性型ビタミンDな どが投与されると,実際に,生体の恒常性維持機構が抑えられ,不要なカルシウムが 体内に進入し,細胞内に進入したり,異所性の石灰化を引き起こす可能性は考慮すべ きである。

12.マグネシウムの必要量

人のマグネシウム必要量に関する検討は,難しい問題である。マグネシウムの摂取 量が異なる短期問の出納実験を実施し,出納が正になれば十分量,出納が負になれば 不足量,出納がかろうじて0となれば最低必要量と考えて実験を行ったが,必ずしも 摂取量と出納(保留量)との関係は正の相関を示さなかった。

かつて鈴木と西牟田24)が報告した人におけるマグネシウムの必要量の検討では, マグネシウム摂取量を増加させると,保留量の平均は増加しており,青年女子の最低 必要量は150mg Mg/dとされてきた。 しかし,その後の西牟田と児玉22)による検討で,マグネシウムの排泄亢進因子,吸 収抑制因子などマグネシウムの摂取量そのもの以外の因子がマグネシウムの出納を修 飾することが明らかにされた。また,十分量と考えられるマグネシウム摂取量でも出 納はほぼ0となり,かつて最低必要量の根拠とされた出納が0となる摂取量という条件 は,最低必要量の根拠としては必要十分条件を満たさないことが明らかとなった。

武山たち19)は,青年男子を被検者として,青年女子のマグネシウム最低必要量と された150mg Mg/dを含む食事を摂取させ,半数の被検者には,その食事にマグネシウ ムとして180mg Mg/dを酸化マグネシウムとして補足した。その結果,糞便中のマグネ シウム排泄量は摂取量が多い被検者で多く,また,見かけの吸収量も摂取量が多い被 検者で多かった。しかし,尿中マグネシウム排泄量は150mg Mg/dの被検者では低下し ,180mg Mg/d補足の被検者では増加し,両群ともマグネシウムの出納はほぼ0に保た れた。

したがって,マグネシウムの充足されている被検者では,実験条件レベルのマグネ シウム摂取に対しては恒常性維持機構によってマグネシウムの出納が維持されると考 えられる。

そのような観点から,鈴木と西牟田の実験結呆を考察し直すと,大幅に出納が正に なった被検者の実験前のマグネシウム栄養状態が充足されていなかった可能性が示唆 される。

マグネシウムの栄養状態が充足されていない被検者の場合,マグネシウムの摂取量 が多いほど出納が多くなるか否かについては,今後の検討課題である。ただし,食事 の供給量が少ないためにマグネシウムの不足状態になるのか,吸収機構や排泄機構が 修飾を受けて不足状態になるのかは慎重に考察すべきである。

13.マグネシウム栄養における細胞・臓器の優先順位

細胞が固有の機能を保持していると同時に,栄養素の貯蔵庫としてより優先順位の 高い細胞に栄養素を供出しているという考え方は,「個々の細胞の活性維持よりも個 体の生命維持が優先される」という,前提に基づいている。

栄養不足な状態で成長する場合,個体の生命維持にとって必要な臓器が優先的に発 達することになるが,実際の実験結呆から,この点を考えてみたい。

脳神経組織は優先順位が高い臓器であるが,随液のマグネシウム濃度は血清の限外 濾過レベルはもとより,全血清レベルよりも高い。このことは脳脈絡叢は興奮性膜で あり,能動的に血液から随液中にマグネシウムを輸送している表れである25,26)

筋肉の場合,使われた筋肉は使用後発達するが,使われなかった筋肉は萎縮する。 すなわち,使われた筋肉はマグネシウムを取り込み,使われなかった筋肉はマグネシ ウムを放出する。

このように考えると,少なくともミネラルの場合,一つ一つの細胞により,放出・ 取り込みの動態が異なっていると考えられる。したがって,その調節機構は体液(ホ ルモン)のみからくるのではなく,神経性の情報か,あるいは,個々の細胞内の情報 であると示唆される。

すなわち,神経性の場合には,終板から放出される神経伝達物質の微量の放出(mi niture end-plate potentia1)などが栄養因子として働いている可能性がある。
 また,細胞内の情報であるとすると,核を持たない赤血球におけるミネラルの取り 込みと,核を持つリンパ球などのミネラルの取り込みを比較することなどによって検 証できる可能性があり,今後の課題である。

いずれにせよ,組織,細胞によって栄養の優先順位があることを念頭に入れた研究 が今後望まれる。

14.ミネラルとミネラル以外の栄養素・エネルギー7.12.14−16)

ATPにマグネシウムが結合し複含体にならない場合には,ATP分解酵素によって分解 されないことからも,マグネシウムとエネルギー代謝との強い関連が予測できる。し かし,ミネラルの研究者がエネルギーについて考えることは希である。

成人病危険因子の一つとして,エネルギー摂取過剰がある。したがって,マグネシ ウム欠乏を成人病危険因子と考えている研究者にとって,摂取エネルギーとマグネシ ウム代謝との関係は興味ある研究テーマである。

これまでの研究で,タンパク質やグルコース摂取にはマグネシウム利尿作用がある が,脂質の摂取ではマグネシウム利尿は起こらないとされてきた14)。そこで,多量 のバターと卵を摂取させたところ,脂肪の摂取によって一過性に上昇する血中中性脂 肪が低下する負荷後4から6時間でマグネシウム利尿が観察された7)。ただし,脂肪 だけを摂取させても明らかなマグネシウム利尿は観察されなかった。脂質の場合,エ ネルギー摂取レベルが多いという条件でマグネシウム利尿が起こるものと考察したが ,今後再検討し結論を出す必要があろう。


まとめ

人を対象として実施してきた無機質(ミネラル)の代謝実験から得られた知見をも とに,健康維持と疾病にかかわるミネラルの役割について私見を述べた。ミネラルの 場含,生理的存在部位に偏りがあり,生命の維持には,この偏りを維持することが重 要な意味があることを強調したい。


文献

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8)西牟田守,山田哲雄,小林修平,鈴木一正:運動・栄養とマグネシウム代謝.マ グネシウム 1983;2:49−56.

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18)西牟田守:水・電解質尿中排泄に及ぼす食塩水摂取の影響.日本栄養・食糧学会 誌1983;36:367−371.

19)武山英磨,児玉直子,佐藤直実,樋口博之,淵時雄,吉武裕,西牟田守:日本人 青年男子のマグネシウム,カルシウム,リン出納について一マグネシウム摂取レベル の違いによる影響一.マグネシウム1995;14:75−82.

20)淵時雄,武山英磨,西牟田守,太田毒城,久我正:随時尿中のカルシウム・マグ ネシウム・リン・クレアチニンの関係について.マグネシウム1994;13:237−245.

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23)西牟田守,児玉直子:成人における慢性亜鉛欠乏状態とその臨床所見一老化,発 ガン,慢性退行性疾患の亜鉛欠乏仮説一.Biomed ResTraceElements 1991;2:63−6 6.

24)鈴木一正,西牟田守:日本人青年女子におけるマグネシウムの出納.マグネシウ ム1984;3:7−12.

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26)平岡厚,三浦勇夫,西牟田守,小野桂子,服部宗和,冨永格:ATPの存在により 血中限外ろ過性マグネシウムは増加する一血液脳関門におけるミネラル選別の分子メ カニズムについての検討一.マグネシウム1988;7:105−110.


表1 摂取量によるミネラルの分類
摂取量100mg/d以上(主要ミネラル):7元素 Na,K,Cl,Ca,Mg,P,S(すぺて必須元素) 摂取量1mgld以上、100mg/d未満(微量元素1) Zn,Fe,Cu,Mn(必須元素・4元素) Al,Br,Zr.Sn,Si,Rb,Sr,Fなど (必須元素として確立していない) 摂取量1mg/d未満(微量元素2) Co,Cr,I,Mo,Se(必須元素・5元素) 必須牲が確立していないその他の元素
表2 生理的存在部位によるミネラルの分類
(元素栄養学の第一法則) 細胞内ミネラル K,Mg,P,Zn,Feなど 細胞外ミネラル Na,Ca,Clなど いずれにも属さないミネラル S,Cu,Mnなど 骨ミネラル(骨を構成する主要ミネラル) 細胞内ミネラルのうち・P,Mg 細胞外ミネラルのうち・Na,Ca
表3 体内のミネラル存在量と摂取量
元素名 体内存在量(比率) 摂 取 量(比率) (g/人)(%) (mg/日/人)(%) Ca 1.0E+03(1.4) 1.1E+03(3.4E‐02) P 7.8E+02(1.1) 1.4E+03(4.3E‐02) K 1.4E+02(2.0E‐01) 3.3E+03(1.0E‐01) S 1.4E+02(2.0E‐01) 8.5E+02(2.6E‐02) Na 1.0E+02(1.5E‐01) 4.4E+03(1.3E‐01) Cl 9.5E+01(1.4E‐01) 5.2E+03(1.6E‐01) Mg 1.9E+01(2.7EL02) 3.4E+02(1.0E‐02) Si 1.8E+01(2.6E‐02) 3.5 (1.1E‐04) Fe 4.2 (5.9E-03) 1.6E+01(4.9E-04) F 2.6 (3.7E‐03) 1.8 (5.5E‐05) Zn 2.3 (3.2E‐03) 1.3E+01(4.0E‐04) Zr 4.2E-01 (6.0E‐04) 4.2 (1.3E‐04) Rb 3.2E‐01(4.6E‐04) 2.2 (6.7E‐05) Sr 3.2E‐01(4.5E‐04) 1.9 (5.8E‐05) Br 2.0E‐01(2.8E‐04) 7.5 (2.2E‐04) Pb 1.2E‐01(1.7E‐04) 4.4E‐01(1.3E‐05) Cu 7.2E‐02(1.0E‐04) 3.5 (1.1E‐04) Al 6.1E‐02(8:7E‐05) 4.5E+01(1.4E‐03) Sn 1.7E‐02(2.4E‐05) 4.0 (1.2E‐04) Mn 1.2E‐02(1.7E‐05) 3.7 (1.1E‐04)
表4 骨中のミネラル(重量)比卒
(元素栄養学の第三法則)  マグネシウムを1としたときのカルシウム含量と     ハイドロオキシアパタイトの安定性  Ca         Mg   100以上       1  大結晶化(胸弱)   10〜100       1  小箱晶(安定)   10以下       1  非結晶(不安定)
表5 尿中のミネラル(モル)比卒
(元素栄養学の第四法則) CaとMg 生埋的条件では CaくMg Mg不足の条件では Ca≧Mg NaとK 生理的条件では Naく2K K不足の条件では Na≧2K


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